占星術師のTomomi(@tomomi_333489)です。
「今年こそは!」と思いつつ書く機会を見つけられなかった人物ホロスコープ。
2022年こそは!と意気込み、2021年末より取り掛かっていました。
今回は個人的に読ませていただいている「リブラの図書館」のリブラさんが書いている「コペルニクス」(*下部リンク)を参考にこの記事では「サビアンシンボル」でコペルニクスの人生を追っていきたいと思います。
[blogcard url=”https://ameblo.jp/libra-library/entry-12677749580.html?frm=theme”]この次の記事ではジェフリー・ウォルフ・グリーン提唱の「進化占星術」で読み進めていこうと思っています。
サビアンシンボルについてはこちらから
[blogcard url=”https://astorologylights.com/%e3%82%b5%e3%83%93%e3%82%a2%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%b3%e3%83%9c%e3%83%ab%e3%81%a8%e3%81%af%ef%bc%9f%e5%8f%82%e8%80%83%e6%9b%b8%e7%b1%8d%e3%82%82%e3%81%94%e7%b4%b9%e4%bb%8b%ef%bc%81/”] この記事の目次
コペルニクスの生涯:1473/2/19
ニコラウス・コペルニクスは1473年2月19日・ポーランドで生まれたカトリック司祭・天文学者・医者・占星術師・知事です。
幼少期に母親を亡くし、10歳の時には銅を売っていた父親が亡くなります。
その後のコペルニクスは母方の叔父に引き取られます。
”ルーカス(叔父)は当時教会の律修司祭(カノン)であり、後に王領プロイセンのヴァルミア司教となった。”/ニコラウス・コペルニクス – Wikipedia
とWikipediaに書いてありますから、叔父の職業は司祭であることがわかります。
叔父はコペルニクスには将来、司祭になってほしいと願っています。
1491年・クラクフ大学(ポーランド最古の大学・現ヤギェウォ大学)に入学し、自由七科を学びます。この自由七科とは「文法学・修辞学・論理学・算術・幾何学・天文学・音楽」を指し、特に天文学では史上初めて月の精密な軌道計算を行い、その当時定説とされていた「天動説」に懐疑的な見解を持っていたアルベルト・ブルゼフスキ教授によってはじめて天文学に触れます。
大学では天文学への興味の他に化学への興味もあったようです。
この時、コペルニクスは18歳。
1495年・学位を取らずに学業を終え、叔父の計らいによって律修司祭の職に就き、約1年ほどバルト海沿岸のフロムボルクで過ごします。
この時、コペルニクスは22歳。
1496年・イタリアのボローニャ大学に留学し、法律(カノン法)について学びます。
ボローニャ大学はヨーロッパ最古の総合大学の1つです。
法律について学んでいる間に、天文学者であるドメーニコ・フェッラーラと出会い、弟子入りします。
この時、コペルニクスは23歳。
1500年・ボローニャ大学での学業を終え、ローマを見物をしたのちに一旦フロムボルクに戻り、ヴァルミアの聖堂参事会に許可を取って1501年に再びイタリアに留学します。
この時、コペルニクスは27歳。
1501年・パドヴァ大学に留学し、ここでは医学を学びます。パドヴァ大学はイタリアで2番目に古い大学です。
当時医療に必須とされていた占星術もこの時に学んでいます。
パドヴァでは2年間学びます。
1503年・フェラーラ大学でカノン法の博士号を取ったのちに叔父の家に戻り、再び律修司祭の職に就きます。
その後、コペルニクスはヴァルミア地方(叔父)およびその近隣から出ることはなかったそうです。
戻ってからは叔父付きの補佐となり、聖職者であり、医師として忙しい日々を過ごしながら、趣味の天体観測を続け、自らの考えをゆっくりとまとめていきます。
それまで主流であった「天動説(地球中心)」への疑問を天体観測によって裏付けをし、本格的な「地動説(太陽中心)」の着想を得たのは1508年~1510年頃と推定されていますが、1508年だとコペルニクスが35歳の時になります。
(占星術の年齢期に当てはめると火星期・彼の火星は水瓶座にあり、傷と癒しを表すキロンと重なります)
1509年・ギリシア語からラテン語に翻訳した手紙集を出版。
同年、「コメンタリオルス」という今でいうところの同人誌を出版し、この時初めて「地動説」を公にします。
しかし、この出版は個人的なものであり、数学者の友人数人に配っただけで一般にはほとんど知られることは無かったそうです。
1517年・「貨幣鋳造の方法」出版
1529年・この頃から「地動説」についての論考をまとめ始め、加筆修正を何度も行うが、出版するつもりはなかったようです。しかし、周囲の働きかけによって出版の方向へ進みます。
1543年・「天球の回転について」/天球の回転について – Wikipedia
この本のWikipediaページを見てみると全6巻となっていることから、コペルニクスが生涯をかけて取り組んだ情熱を感じます。
1543年5月24日にコペルニクスは亡くなるのですが、校正刷りが仕上がったのはコペルニクスが亡くなる当日のこと。
コペルニクスにとって出版することよりも、宗教的に信じられていること(主流)よりも自らの力で天体観測に基づいた結論を発見できたことが何よりも喜びとなったことでしょう。
コペルニクスのホロスコープ
「コペルニクス的転回」という言葉があるように、コペルニクスのホロスコープの特徴は太陽と冥王星が180度向かい合い、価値観が180度変わるような配置とそれに伴う土星による90度・葛藤の配置が象徴的です。
太陽・水星は魚座/7ハウスにあり、外の世界・他者から学び、経験する中で「自分の本質」を見つけていきます。
身近な人(コペルニクスの場合は叔父)からの影響が大きいことが現れているように、コペルニクスも叔父の立場を守るためにその当時宗教的にも主流であった「天動説(地球中心)」に意を唱えるような「地動説(太陽中心)」を大々的に表現することは相当な葛藤であったことが見て取れます。(太陽月土星冥王星の葛藤の配置)
叔父の勧めで聖職者として働いたコペルニクスですがこれは魚座太陽が物語っています。
また、夢や希望を他者と共有できたとき大きな喜びを得られたでしょうし、長年の研究成果を仲間に語る時、魂のこもった熱いものを友人たちは感じたことでしょう。
様々な勉学に励んだのは蠍座/3ハウスにある天王星・海王星・ドラゴンヘッド。
蠍座の支配星は乙女座/1ハウスにありますから、細かい部分が気になりだすともっともっと!とあらゆることが気になったのでしょう。自分の中で疑う部分が出てくるとその疑いを解消するために様々な知識の習得と天体観測という地道な努力を重ねられたのだと思います。
リブラさんの記事の中で「天文研究に人生を捧げたコペルニクスはさぞ、9ハウスに星が沢山あるのだろうと思いきや9ハウスに星がない」という部分が気になったのですが、確かに9ハウスには星はありません。
しかし、ここには過去の蓄積・経験値であるドラゴンテイルが牡牛座24度にあります。
魂の輪廻転生と前世という概念を採用するならば、コペルニクスの魂はコペルニクスになる前に自らの価値観や感覚・快不快はどのような時に感じるのかといった生きていく力を養い、高度な知識と能力を高め、自分の想い(本当に知りたいこと・真実)を見つけるために時間をかけてでも取り組んできたのでしょう。
ホロスコープの頂点であるMCとはオーブ4度の差です。
蓄えてきたのは過去のことですから、自分だけのものにしては今生の課題に取り組むことはできません。
過去に蓄えてきた力を社会の中でシェアすることが求められているとも読めますし、自分でするのではなく他者に頼ることや他者との深い関係を築くことが魂の成長のためには重要となります。
そして、もう一つ「過去」として読めるのは月。
9ハウスに星はなくとも、9ハウスのサイン(星座)である射手座に月、射手座の支配星である木星もありますから、「求める真実や自分なりの哲学」を身に着けるために何度も何度も人生を通して学ぶことに注力してきた様子が伺えます。
人生には自分一人の力だけではどうにもできないことがあって、どんなに頑張っても形にならず辛い時期があります。
そのような時に意固地になって自分の世界に閉じこもるのもその人の選択の自由ではありますが、他者の手を借りることや他者の声に耳を傾けることで自分にはなかった考え方やひらめきを受け取ることもあります。
誰かの助けや協力があって初めて自分の世界から「もっと大きな世界」を体験することができます。人と共に生きることの喜ばしい側面ですね。
それは奇跡とか運命的な目に見えない”なにか”ともいうことができますし、精いっぱい頑張ったなら自分の力だけでどうにかしようとせずにじっと”その時”が来るのを待つことも必要だったりもします。
そうした目に見えない計らいに身を委ねて待つことも試練といえるのかもしれません。
今生の課題を示すドラゴンヘッドは蠍座にあり、蠍座には天王星・海王星があります。
この時代にはもちろん天王星・海王星・冥王星の土星より遠い場所にあるトランスサタニアンは見つかっていませんから読む必要はない(当時は読まれていない)のですが、一緒に読む方が土星と太陽の葛藤だけよりも冥王星と太陽の「人生・価値観を大きく覆すような情報・知識の発見、自分の人生を生きようとすればするほど苦しくなる心理的な葛藤、恐怖感」は相当なものだったと伝わってきます。
冥王星は0か100か、破壊と再生ですから人生観が大きく変わることや冥王星は権力であったり、長い期間影響を与えるとも読めるので今後の世界を変えるとも読めます。
出版された本を読むことは無かったコペルニクスですが、出版後、直ちに新しい価値観が社会的に受け入れられたかというとそうではなく、受け入れられるまでに100年以上がかかったようです。
18世紀後半、哲学者イマヌエル・カントが「コペルニクス的転回」という「物事の見方が180度変わることを比喩した言葉」を作っています。
さて、コペルニクスはどのようなサビアンシンボルを持っているのでしょうか。
コペルニクスのサビアンシンボル
まずは物事のスタートであるAC(アセンダント)から見ていきます。
AC乙女座8度「最初のダンスの練習」
ダンスは自己表現をする練習であり、日々の生活の中で自分を表現できるものを発見し、訓練していく様子が描かれています。自分の世界観を創りあげるには日々の努力が必要です。
趣味や楽しみを自ら発見し、取り組みます。
自分が踊りたいと思えるものを見つけたなら誰かに踊ってもらったのでは意味がないですから、自らの力で踊れるようにならなくてはいけません。そうなると、他者や環境に依存していては自分の力で踊ることができなくなります。
自分の力を試し、経験することで体験できなかった境地を見つけようとしています。
意欲的に他者から学び、吸収しようとしますから様々な実務能力が身に付くでしょうし、人からの助けや助言に耳を傾けてみることでこれまでとは違った世界が見えてくるでしょう。
冥王星乙女座17度「噴火している火山」
自分でも制御できないほどの大きな力を心の奥底に持っていて、溜め込みすぎたときに溢れ出てくる様子が描かれているシンボルです。
完璧さを求めるが故に自分を苦しめていたと気づき、自分の気持ちに素直になる時間が訪れます。
これまでの思い込みを壊し、一新していくことで新しい自分と出会っていくことができます。
天王星蠍座5度「大きな岩場の海岸」
「大きな岩」は大切な想い。「海」は感情や潜在意識といった無意識がざわめきぶつかり合う様子が描かれたシンボルです。
始めのうちは小さく流されそうな意志も長く取り組むことで自信や信念となり、大波が来ても揺るがない意志となります。そこに行くまでには不安や葛藤も大きく、幾度となく訪れる試練によって「想いが明確」になっていきます。
焦ることなく地道に着実に「これだけはやり遂げる」とか「この人と一生共に生きる」といった長いスパンで守りたい”何か”を見つけて決意するシンボルです。
海王星蠍座19度「聞いてはしゃべっているオウム」
鳥は霊的な存在の象徴。霊的な情報をそのまま表現している様子が描かれているシンボルで受け取ったもの、感じたこと、またはお手本となるようなものを「真似る」ことで変容体験していきますから、受け身の姿勢で感じるままに行動したり、好奇心を発揮して取り入れていくことで知らずのうちに大きな変化を体験していることもありそうです。
「力まずにただあるがまま」でいることで純粋な情報を受け取ることができるでしょう。
ドラゴンヘッド蠍座25度「エックス線」
ドラゴンヘッド・テイルは平均交点で見ているのでこの数値となります。
通常目では見えないものを透かして見るとか科学技術・化学などを表し、物事の構造やシステム・体系などの骨組みを見抜くなど専門的な知識の習得との関連のあるシンボルです。
疑い深いところがあり、相手を信頼するまでに時間がかかる傾向があるとも書かれています。
木星射手座5度「木の高いところにいる老いたフクロウ」
フクロウは知恵の象徴。気の高いところから全体を見渡す、深い知恵と真実を見抜く存在です。
幅広い視野で物事を捉え、真実を追求する目・教養・洞察力を養い、物事の裏側にある誰も目を向けようとしない部分・隠された部分を見ようとする力を表します。
月射手座6度「クリケットゲーム」
スポーツマンシップがカギとなるシンボルです。
仲間や家族、ライバルと共に同じ目標に向かって協力し合い成長していくことや自らの意志を宣言することで自分を追い込みモチベーションをあげる、白熱した状況でも冷静な判断をして自分がすべきことに集中するといった意味があります。
キロン水瓶座18度「仮面をはがされた男」
隠していたことや個人的な秘密を表に出すことで取り作った姿や着飾った姿ではなく、ありのままの姿で堂々とする、隠すことなく後ろめたいことは溜め込まないようにするといった意味を持つシンボルです。
溜め込んだものをいつまでも自分の中に閉まっておかないように、定期的に出していくことは自分の中のリズムでもあります。溜め込みすぎると疲れてしまいますし、自分を誤魔化して偽るのも限界が来てしまいますからね。
また、分析力と直観力をいかして「物事の本質」を探ることや相手の本質を見極めていくことや人生上の方向転換があることが示されています。
火星水瓶座22度「子どもたちが遊ぶために床に敷かれた布」
子どもは可能性や希望、インナーチャイルド、純粋な心の象徴であり、床に敷かれた布は子どもの頃の感情や記憶、純粋な心はいつまで経っても人生の基盤になっていると伝えているようなシンボルです。
子どものような純粋な発想力を大切にすることや理想を実現するために実践すること、異なる要素を繋ぎ合わせて新しいものを生み出したり(錬金術)、共感してくれる理解者を大事にすることや保護してくれる人または保護される関係性があることを示しています。
太陽魚座11度「光を探している男たち」
光という真理を探究するために挑戦する姿を表すシンボルです。
自分が信じているもの・価値観は正しいのかを確かめるために哲学・宗教・スピリチュアルといった教えを学び、自分の力にしていくことや人生を通して貫ける教え・テーマを追求し、身に着けていくこと、人としてどうあるべきか、どう生きるべきかを学ぶといった意味があります。
水星魚座27度「収穫の月」
直居氏のサビアンシンボルでは「仲秋の名月が澄みきった秋の空に輝く」とされているシンボルで、個人の行いによる「収穫」があることを示しています。
その収穫とはこのサビアンでは過去生・前世の善い行いの結果を刈り取るのが今生ですから、何よりも誰よりも「自分の魂が体験したいこと」に抗うことなく受け入れ体験していくことが重要です。
また、自然のリズムや文化・芸術など「美」に関するものとの接点もあり、納得いくまで取り組むようなこともあるでしょう。
金星牡羊座8度「東に向いてなびいているリボンをつけた大きな帽子」
「東」は太陽が昇る場所であり、新しい始まりを象徴しています。
「なびいているリボン」とは風によって動いている様子が描かれていますから、地球のリズムであったり、人生の中のリズムや目に見えないエネルギーを感じ取って行動することや常識や固定概念に惑わされるのではなく自分の感覚を信じるという意味のあるシンボルです。
ドラゴンテイル牡牛座25度「大きく手入れの行き届いた公共の公園」
自分の能力を社会に還元していくことや安心や安らぎを与える人になるなど社会貢献がテーマのシンボルです。
自分の持っている能力を出し惜しみせずに社会の中で使っていくことで誰かのためになりますし、他者と共に喜びを感じたり、助け合うことでお互いに成長していくことができます。
また、専門的な知識の習得という意味もあり、牡牛座の表す能力の開発によって自らの力となり、豊かな生活を手にすることができることを伝えているシンボルです。
MC牡牛座29度「テーブルの前の二人の靴職人」
人が2人いる・2つの選択肢があるなど相反するものがある中で着実な形になるように取り組む姿勢が現れているシンボルです。
新しいものと古いものの両方の価値を比較したり多角的に見つめて発展させたり、揺れ動く心を信じて歩み出す勇気を持つこと、作り変えるアイデア力といった意味を持ちます。
土星双子座19度「大きな古典書物」
古典書物とは知識の源や情報のソースなどを表し、知識や伝統・物事などすべてにおいて基本を学ぶことやその元となる情報をしっかりと調べて確実性を高めていくなど知識・情報における源・ソースを確かめることの重要性を伝えているシンボルです。
自らが違和感を持つことがあれば徹底的に調べ、確かな情報だと思えるものを人に提供したり、教養を身に着けるために様々な知識に触れていくこと、専門性を高めていき応えられるような人になるといった意味もあります。
サビアンシンボル・自分にフィットするメッセージを大切にする
コペルニクスのサビアンシンボルはいかがでしたでしょうか。
サビアンシンボルというのは19世紀に占星術師であり、精神主義者でもあったマーク・エドモンド・ジョーンズと透視能力者であったエリス・フィラーによって生み出され、その後、占星術師のディーン・ルディアによって体系化されました。
比較的新しい概念であるため「何がシンボルだ、占星術だ」と批判的な人もいるかと思うのですが、私はこのコペルニクスのサビアンシンボルを抽出作業をしたときにその人の人生をよく表していることや魂の願いを感じてとても感動しました。
しかし、必ずしもサビアンシンボルの中に当てはまる言葉全てが「自分に合うか」まではわかりません。
今はもう生きていない人・人生を終えた人だからこそ当てはめて考えることができるのであって、今を生きる人が参考にするのであれば「自分が感じる言葉」をチョイスすると良いかなと思います。
ここまでお読みくださり誠にありがとうございました。
次回は「コペルニクスを進化占星術で読んでみる」記事を書いていきたいと思っています。
Tomomi