ヘンリー8世のホロスコープ

占星術師のTomomi@tomomi_333489)です。

今回の記事はしばらく眠らせていた記事イングランド王・ヘンリー8世についてです。

ヘンリー8世


David MarkによるPixabayからの画像

  • 1491/06/28(ユリウス暦)~1547/01/28(55歳没)
  • ヘンリー7世の次男
  • テューダー朝第2代のイングランド王(在位:1509/04/22(戴冠は6/24)~1547/01/28)
  • アイルランド卿、のちアイルランド王(在位:1541年~1547年)

父親:ヘンリー7世

母親:エリザベス・オブ・ヨーク(ヨーク朝イングランド王・エドワード4世の王女)

ヘンリー8世は本来なら王位継承をする予定はなかったのですが、兄のアーサーが王位に就く前に亡くなり、継承権が回ってきます。

ヘンリー8世について語る時、兄の存在を語らずには通れません。

兄・アーサーは15歳で亡くなりますが、小さい頃から婚約者がいました。

2人が成長し、スペインのキャサリン王女と政略結婚しましたのはアーサー15歳、キャサリン14歳のとき。

結婚してすぐにアーサーは流行り病で亡くなります。

結婚期間わずか5か月で未亡人となったキャサリン。

通常なら夫の死後、帰国するのですが結婚の際に大金を持ってきたキャサリン(持ってきたというか、持ってこさせられた?)をそのまま返すわけにはいかないとヘンリー7世はキャサリンをロンドンのダラム司教館に住まわせたようです。

父であるヘンリー7世はというと、ボスワースの戦いで王位を勝ち取った王様なので懐事情もあったのでしょう。

ヘンリー7世は戦いで王座を獲得した王としては最後の王様です。

可哀そうに思ったのか、お金が欲しかったのかヘンリー7世は自分の妻・エリザベスが亡くなるとキャサリンを自身の後妻にするとキャサリンの両親に言うのですが、キャサリン母は激怒して取り下げられたこともあるようです。(なかなかすごい考え方・・)

キャサリンはロンドンのダラム司教館でひっそりと暮らしていたのですが、時折訪れてくれる生き別れた夫アーサーの弟・妹たちの顔を見れてほんの少しは気持ちも楽になったことでしょう。

ここで出てくる弟というのはのちのヘンリー8世です。

その後、父ヘンリー7世が亡くなり、ヘンリー8世が即位し、二か月後にキャサリンと結婚しますが、徐々に豹変していくのです。

年表

1491/06/28(ユリウス暦)誕生

1502/04/02 兄・アーサー死去(埋葬4/25・ウスター大聖堂)

1503/06/23 キャサリンとの婚約

1508~1516 カンブレー同盟戦争

1509/04/21 ヘンリー7世崩御・ヘンリー8世即位

1509/06/11 ヘンリー8世・キャサリンと結婚

1509/06/30 戴冠式

1532~1537 イングランド国王と教皇の関係の変革と、イングランド国教会の創設に関わる数々の法令を発布

1533/01 アン・ブーリンと結婚

1534/  国王至上法公布・イングランド国教会設立(正式にローマから分かれたのは1559年)

1536/05/19 アン・ブーリン処刑・翌日ジェーン・シーモアと結婚

1537/10/12 エドワード6世誕生 10/24 ジェーン・シーモア死去

1540/01/16 アン・オブ・クレーヴスと結婚 06/19離婚・キャサリン・ハワードと結婚

1541 アイルランド王となる

1542/02/13 キャサリン・ハワード処刑

1543/07/12 キャサリン・パーと結婚

1547/01/28 ヘンリー8世死去・55歳

ヘンリー8世のホロスコープ

イギリスで最も知られている王、ヘンリー8世。

またの名を「狂気の王」とも呼ばれた彼がどのようなホロスコープを持っているのか見ていきたいと思います。

ヘンリー8世のホロスコープは下記リンクから。

ヘンリー8世ホロスコープ/astrotheme

・astro.comからはデータバンクからどうぞ

今でこそトランスサタニアンと呼ばれる土星より遠い天体を扱う占星術が普及していますが、古い時代にはもちろん発見されていませんから土星までしか使用されていませんでした。

しかし、古代文明では冥王星までの天体を予測していたなどの高い天文技術があったことなどが言われています。

トランスサタニアンなしのホロスコープ

ヘンリー8世のトランスサタニアン(天王星・海王星・冥王星)を抜いたホロスコープを表示してみるとこうなります。

  • AC乙女座MC牡牛座
  • 月×太陽90度、月×土星60度、月×水星120度
  • 水星×土星180度、水星×金星60度
  • 金星×火星120度、金星×土星120度
  • 火星×木星90度
  • ドラゴンヘッド蠍座29度ーテイル牡牛座29度

トランスサタニアンを抜いたホロスコープからは「狂気の王」と呼ばれるほどの狂気性というのは見当たりません。

太陽月の90度の気分の移り変わりと火星木星90度の思い込みからの衝動的な部分があることがわかりますが、そこまで悪くはないです。

AC乙女座

人のホロスコープを見る時、私はAC(12と1ハウスの間)を重要視しています。

ここは魂が肉体に入った瞬間の場所であり、その人がどのような姿勢で人生に取り組むかがわかります。

ヘンリー8世の場合は乙女座6度。(サビアン7度)

自分で調べた数少ない有名人ホロスコープ記録を見ると、王様・王子・軍人・貴族・大統領・首相・皇帝というくくりで見たときにAC乙女座の数は蠍座と良い勝負をするほど多いです。

乙女座は4元素でいうと「地」の星座ですから、現実・堅実・安定という意味合いが強くなるようですね。(蠍座の場合は家系の継承など、山羊座ももちろん多いです。)

AC乙女座の支配星・水星は獅子座/12ハウスにあり、真向いの水瓶座土星と180度を取ります。

牡羊座の月、双子座の金星は調停を取ります。

王位継承は兄ですが、一流の教育を受けラテン語・フランス語は堪能、イタリア語は少せたとWikipediaに掲載されています。/ヘンリー8世

しかし、幼少期の詳細はわからないとあります(王位継承者ではないため、幼少期の記録をちゃんと取っていなかったのかな。)が、様々なことを学ぶことがあったのだろうと推測します。

AC乙女座7度「ハーレム」

社会というのは相互依存の関係で成り立っている。

社会組織の中でうまく順応しながら、人と共に支え合いながら生きていく。

賑やかな人間関係になりやすい。

頼り、頼られる関係性がゆがむと愛着や欲望へと変貌する。

ACのサビアンシンボルを見てみるとこれまた面白くて「ハーレム」なんですよね・・

そのままの意味でとると宗教上の理由がなく、一夫多妻制ならハーレムが可能だったのですが、この国はローマ・カトリックでしたからそうもいきません。

サビアンシンボルの意味はもちろん女性に囲まれることではなく、社会というのは相互依存の関係で成り立っているということを知り、自分の役割をしっかりと見極めていくという意味を持っています。

MC牡牛座

人生の中で目指したい場所は「牡牛座」です。

牡牛座の支配星である金星も近くにあり、物質的豊かさを求め、女性との関わりを持つことが予測されます。

トランスサタニアン含むホロスコープ

そして、トランスサタニアンを含めたホロスコープがこちらです。

調停二枚を凌駕するようなTスクエア二枚・・

このホロスコープを良く見ると、火星・海王星・木星からなるTスクエア水星・土星・冥王星からなるTスクエアがあり、がっつりとトランスサタニアンからの影響を受けていることがわかりますし、太陽と天王星はオポジションを取っています。

トランスサタニアンは土星よりもはるかに遠い天体である天王星・海王星・冥王星のことを指します。

土星という時間・空間という枠組みを超えたエネルギーを持つのがトランスサタニアンですから、常識とか一般的と言われることを越えていきます。

その超えたものが吉と出るか、凶と出るかは本人の考え方や行動次第です。

「狂気の王」と呼ばれた片鱗がこのホロスコープからにじみ出ていることがわかります。

冷酷、奇抜な考え方を持ち、自分の思い通りにならなければルールそのものを変えてしまおうというのはホロスコープにも表れてます。

「晩年には好色、利己的、無慈悲かつ不安定な王であったとされている」/ヘンリー8世/Wikipedia

このようにWikipediaに書かれていますが、トランスサタニアンを含めたホロスコープを見るとその様子がしっかりと現れていることがわかります。

この思い切った考えから今に至るイングランド国教会が作られることになりますが、この出来事が後々の人々の悲劇の元となります。

ちなみに今の国教会のトップはエリザベス2世。

ヘンリー8世は男の子の世継ぎを設けるために様々な女性と結婚し、妊娠をさせているのですが(結婚したのは6人)、これはホロスコープを見ると太陽と月は90度を取り、天王星と月は90度まではいかないのですが、Tスクエアとして考えると妻(月)との関係が変化しやすい(天王星)ともいえます。

気分も変わりやすい傾向がありますから、気分の変わりやすさをいかに理解して仲間・家族(王室)を守っていけるかまで考えることができれば良かったのですが・・ヘンリー8世は自分の立場を利用して様々な女性と関係を持ち、世継ぎを作り、物質的な喜びを味わい尽くしたかったのでしょう。

まあ・・気分の変わりやすさについては、どうも落馬して数時間後に目を覚ました時から頭を強く打ったのかスポーツができなくなり、感情のコントロールや物忘れが激しくなったとありますから、脳内でなにか異変があったのでしょう。

ヘンリー8世の魂の意図

ヘンリー8世のこの世での学びの意図は、1人で生きるのではなく、家族や仲間といった大切な人との絆を知る・家族を守ることや一人ではどうにもできないことがあって人々と共に成長していくこと、自分の感情の揺れ動きと向き合い、未来や理想を守り継いでいくことにあると私は思うのですが、現代を生きる私が読んだからそう思うのであって、その当時に生きていたらこのような読み方はしなかったでしょう。

また、ホロスコープからそのように読めたとしてもそのホロスコープの持ち主であるヘンリー8世自身が考え方を改め、理解していくことが必須です。

周囲にとっては目に見えて良く分かったとしても、自分自身を知るということは分かりづらいものです。

進化占星術:天秤座冥王星29度・3ハウス

現在発売されている「冥王星 魂の進化成長の物語」に書かれてる天秤座冥王星7ハウスの項目を読むと天秤座冥王星世代は、「価値・知識体系・人々との関係など全てにおいて様々な世界を見て、知っていくことで自分を知っていき、誰かに合わせた生き方ではなく、自分の力で生きていく決断をする勇気を持つことや対等な関係の上で、他者の選択した道をコントロールしたり、他者の決断を妨げるような振る舞いをせずに応援すること」などが挙げられます。

つまり、現代を生きる冥王星が天秤座にある世代は皆さん、少なからず上に書いたような学びをしている最中なのです。

天秤座冥王星を持つ人々は1971年(昭和46年)11月から1984年(昭和59年)8月までの人です。

この学びが進むことで「他者の現実を理解し、最も寛大な人々となるだろう」と本には書かれていますが、他にも冥王星天秤座7ハウスについてをまとめると以下になります。

  • パートナーシップへの強い欲求
  • 自分を完全な存在だと感じるために他者を求める
  • 支配するまたは支配される関係を求める
  • 他者に好かれたいという欲求
  • 他者に意見を求める、求められる

ヘンリー8世もまた、パートナーを強く求めたことは6人の妻を持ったことからもわかりますし、妻だけでなく、自分に歯向かうものは死刑にしたり・・と支配欲が強かったことからもわかります。

*過去、トランジット記事にて3ハウスについて書いているので引用します。

冥王星は3ハウスに位置しています。

3ハウスにある冥王星は沢山の知識を習得していき、順序立てて理解したいという欲求を持っています。

私が持っている資料では「病名がついて安心する」と書いているのですが、自分の想いが肯定されることで安心感を覚えます。

それは過去の記憶の中に自分の考えを受け入れられなかった経験があり、認めてもらうことや自らの正当性を証明したいという強い欲求から証明できる知識を習得していこうとします。

知識習得という好奇心とは相反して自分のこれまでに得てきた知識の地盤が崩れるかもしれないというジレンマを抱えています。

しかし、3ハウス冥王星の示す進化の方向性は9ハウスとなりますから(冥王星の示す反対側)、これまで得てきた知識だけに偏るのではなく、もっと広い世界(宇宙の叡智やスピリチュアル的な概念も含めた膨大な知識)を知っていくことが重要となります。

習得した知識や情報は全体のほんの一部にすぎません。

知識や情報という壁を突破してもっと大きな考えを習得していくことで様々な考え方・価値観をしていくことや受け入れていく必要があります。

他者を尊重する心を養うことも必要かもしれませんね。

冥王星双子座3ハウスのまとめ

  • 深い洞察力と思考力
  • 好奇心の方向性を自分でコントロールできる限りにおいて好奇心旺盛
  • 事実を明らかにする能力
  • 論理的に見えて知的構図を脅かすような場合は防衛的になる

冥王星の示すハウス・サインはその人の魂が執着しやすい行動パターンを表す

冥王星の示すハウスやサインの性質というのは、進化占星術の考えでは「執着を抱きやすく、無意識的に取ってしまう行動パターンや安心感を覚えるため引きずり込まれてしまう(過去に戻る)行動傾向」を表します。

ヘンリー8世は物事を理解していくことに費やしてきた魂であることがわかりますが、物質や生活の安定を望み、そのために維持できるような禁欲的な生活も過去にはしてきているのではないでしょうか。

物質的な喜びや安定を求める学びも終わりに近づき、人・特に女性と会話をすることや女性を理解していく学びの要素へと移行しつつあったのだろうと推測します。

だからこそ、金星・木星が双子座にある時を選び、魂の学びとして気付くために持ってきた幸運(木星)だったのではないでしょうか。

しかし、時代背景的な価値観・社会の中では魂の意図を実現することが難しいということと、本人の考え方によって人生は良い方にも悪い方にも変化することがよくわかるホロスコープだと思います。

冥王星とのアスペクト

冥王星とアスペクトを取る天体は「水星・金星・木星・土星・天王星・海王星」です。

それぞれの意味は以下となります。

  • 水星・・固定観念の再定義・極端な表現となりやすい
  • 金星・・他者との融合を経験してきているが自分とどうやって繋がるかは学んできていない
  • 木星・・直感力を高める、宇宙や哲学、宗教などに触れ、何を信じ欲するのかを学ぶ
  • 土星・・自分の権力を主張すべきというニーズと権力に関する学び
  • 天王星・・成長を拒む感情・知的・肉体的・精神的・愛着または執着を完全に排除していく学び
  • 海王星・・超自然的な現象の探求もしくは妄想・虚偽・精神の混乱

逆行する天体は「土星・天王星・海王星・冥王星」ですから、ヘンリー8世の魂は「個性化」に進むための試練ともいえるような「学び直し・やり直し・繰り返し・考え直す」ことを体験していこうとしています。

アスペクトは魂の行動・思考の癖です。

冥王星とアスペクトしているということはそれなりに癖が強く、一筋縄ではいかない学びであると言えますからこの生涯で意図設定した学びを終えられたかというとうまくはいかなかったと予測できます。

魂の進化段階の推察

  1. 人間初期の学びまたは学びなおし(2~3%)
  2. 社会の中で生きる学び、家族、人間関係、社会性を身に着ける(75%)
  3. 個性化段階、個人力をつけていく(20%)
  4. スピリチュアル、目に見えないもの(世界)と共に生きる(2~3%)

魂の成長段階でいうと「2・コンセンサス段階」でしょうか。

魂の成長段階についての補足リンク

➤魂の進化成長段階について

進化占星術関連リンク

進化占星術に関するサイト様を紹介いたします。

  • ジェフリー・ウォルフ・グリーンのエッセンスを教えている学校HP

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*本文の中で何度か「この本」として触れている本はこちらのことです。

  • 佐々木りささんによるSchool of Evolutionary Astrology公認日本情報サイト

こちらの本の翻訳者。

導入部分の動画講座もされていて、私も受講済みです。

  • ホ◻︎スコープ研究所の相原あすかさん

また、翻訳班と共に公式サイトに投稿されている内容を翻訳してくださったものをUPしたり、魂の成長や占星術、哲学やこの世に伝わる叡智について様々な角度からのブログに綴られています。

どのサイト様も進化占星術を学ぶことにおいてとても参考になりますので、興味のある方はジャンプしてみてくださいね。

今回の記事はここまで

イングランド王であり「狂気の王」と呼ばれたヘンリー8世のホロスコープを様々な視点から見ていきました。

次回は「サビアンシンボル」「トランジット」などの記事を書く予定です☺

 

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ABOUTこの記事をかいた人

おこしやす。Tomomiです♡ 西洋占星術を学ぶうちにあれよあれよと占星術師となり、哲学・物理学・宗教・心理学・数学・歴史・神智学など多岐に渡る書籍とにらめっこの日々。最近は洋書漬け。星の動きはInstagramに投稿中。こちらのブログでは気になった人のホロスコープを読んだり、感じたことなどの徒然を。 ”持って生まれたホロスコープには自分が体験したいと願ったことが秘められています。迷ったとき、自分の感覚に自信がないとき・・生まれた時の天空図には「生きていくためのヒントや方向性」が記されています。” 私は魂の意図を読み取り、鑑定書を作成しています。